メジロの悩み
冬のメジロ達は柿スポット巡りに大忙しです。
柿は他の野鳥にも人気なので、食べ物の少ない冬を乗り切るにはできるだけ多くの柿スポットを把握して、食料切れにならないようにしなければなりません。
しかしメジロの小さくてか弱いクチバシでは皮に守られた柿を食べることが出来ません。
そんな悩み事を解決してくれるのが、大食漢ヒヨドリです!
ヒヨドリはパイオニア
食の幅が広く尚且つがめついヒヨドリは、慣れた手(くち)つきで柿に一撃を食らわし易々と柿を開拓していきます。
豪快に食べるので見ていて楽しいものですが、農作物も同じ要領で犯行に及ぶので農家さんからは害鳥扱いをされています。
開拓した柿をまるまる一つたいらげる訳ではないので、食べ残した柿をメジロ達が食べます。
ただ、ヒヨドリ達も元から中身が見えている柿の方が食べやすいので毎回開拓することはなく、開拓済みの柿は他の鳥達と取り合いになります。

「オラどけ!俺様の柿じゃい!」と他の鳥を追っ払うので
君(ヒヨドリ)達は新しい柿食べたらいいのにと内心思います。
沢山柿あるし…。
どうやら新しい柿を開拓するより小鳥を追っ払う方が楽な様です。
※カラス、ムクドリ、スズメも開拓者として一役買っています。
好みの柿がある
メジロとヒヨドリにスポットライトを当てましたが、
完全に動物質だけしか食べない鳥は別として、私はカキの実を食べない鳥を知らない。
野鳥と木の実ハンドブック
と本に書かれている程様々な鳥が柿を食べます。
ただ、柿なら何でもいい訳ではないらしく、人と同じく甘柿から食べられますがその中でも好みがあるそうです。
隣同士に生えている甘柿でも柿の減り方が違い、人気の木と不人気の木があります。
そして霜に何度かあたって渋みが抜けた渋柿も遅れて食べられるようになります。

それ美味しいの?と思う程熟れを通り越した様なしわっしわの柿もメジロは食べます。
柿観察にはドラマがある
「食べてるかわいい」から是非一歩踏み込んで行動を観察してみてください。
鳥達の食事風景を見ていると、力関係や固体の性格が見えてきます。
- 上記の様なオラオラ系ヒヨドリに、
- 1つの柿の中に2羽一緒に捕まって食べる仲良しメジロ。
- 1つの柿の中に2羽一緒に捕まって食べる仲良しメジロ。
- 柿は沢山あるのに突然勃発する意外と武闘派スズメ。
- 食べたい柿に届かなくて四苦八苦するムクドリ。
- 同じ体格だと大人しく皆で食べるヒヨドリ、ツグミ、シロハラ。
冬の小鳥たちは違う種類でも群れて生活している事が多いので、
エナガが柿を食べている枝を突きまくって揺らす迷惑なシジュウカラ。なんていう子もいました。
人が食べてようが関係ないみたいです。輪を乱すタイプですね。
このように、柿の木をぼーっと眺めているだけで沢山の鳥が来るのでバードウォッチング入門にオススメです。
- 開拓者が食べた後にメジロは柿を食べることができる
- 開拓者の中でもヒヨドリが一番豪快かつジャイアン的存在
- 人気の柿の木を見つけることがバードウォッチングの秘訣
- 観察には鳥への配慮を忘れずに
参考
野鳥と木の実ハンドブック
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