
ん?なんだこのトゲトゲ?

その犯人はクマゼミなのだ!
木から葉っぱが落る秋から冬にかけて、こんな枝を見かけることが多くなります。
トゲトゲの理由
夏になると重低音なイケボで婚活をしているクマゼミ。
セミ全般での幼虫は土の中で暮らして成虫になる時に出てくる流れは有名ですが、さてではそもそも卵はどこにあって、幼虫はどこで孵化(ふか)するのでしょう?

んー。土の中で暮らしてるんだから、母セミが土の中に産むとか?

正解は木に産むんだな。クマゼミは枯れた枝など乾いた木を好んで産卵するぞ。
お尻にある、卵を産み付ける為の針の様な管(産卵管)を木に刺して、卵を出す。
そうしたら丁度隙間に卵が挟まるのだ。

じゃあこのトゲトゲの隙間には本来卵があったんだね。
セミの一生

え、じゃあ木(枝)で孵化した幼虫は木から下りて土に潜るの?
道中のリスク高くない?

そこはワープ!を使うのだ!!
まずクマゼミの一生を解説します。
夏 産卵(卵のまま越冬)
→7月頃の雨の日 水分に反応して孵化
→地面に落ちて土の中へ
→7年間かけて土の中で成長
→7月下旬ごろ 羽化
→1週間婚活パーティーに参加し 産卵(一番上に戻る)

なるほど。木から落ちたら確かに早い。
おまけ:セミの寿命

そうえば『セミの命は一週間くらい』ってよく言うけど、高校生がものすごく地道な研究の成果を発表して一時期話題になったよね。

そうそう。中学生の頃からマーキング調査(セミを捕まえて羽に番号を書き放すを繰り返して生存を確認する調査方法)を行って成虫の寿命を調べたやつな。

一人で800匹越えの数を捕まえててその熱意に関心したよ。
あの研究結果を聞いて、なら蛍も一概に1日とは言えないのでは?って思っちゃった。
研究結果はアブラゼミ32日。ツクツクボウシ26日。クマゼミ15日だそうです。
もちろん1回目に捕まえた時点が生まれたてとは限らないので、更に長く生きている可能性もあります。
まとめ
- ギザギザの枝の跡はクマゼミの産卵痕
- 卵のまま枝で越冬する
- 枝で孵化して枝から落ちて土に潜る
- 成虫の命が1週間とは限らない
参考:大阪市立自然史博物館 展示
コメント