夏と言えばツバメですね。
巣から顔を出しているヒナの姿は愛くるしくて周辺地域の人気者です。
今回はそんなツバメ達の巣についてです。
まずは物件探し
昔から『ツバメが巣を作る家は繁栄する』と言われ、縁起物として人と共生していました。
ツバメのこだわり条件には
- 人通りがよくある
- 軒下の様な屋根が出っ張って周りから見えづらい場所(雨もしのげる)
- 風通しがいい
- 引っ掛かりや突っ張りがある
- 壁はツルツルよりボコボコしている方がいい
という条件があります。特に人通りが重要で
実際、職場の向かいにあった喫茶店は毎年ツバメが子育てをしていましたが、喫茶店を閉業した年からは何度か下見には来るものの、人通りの観点から審査に落ちた様で巣も空き家となってしまいました。
近所のお店が5軒並んだ所も、同じ様な屋根なのに2軒はツバメの巣がありません。
ツバメの巣がある店は繁栄する=人の出入りが多い=客が多い
ということになります。まぁ、口コミが多くても美味しいとは限りませんが…。
巣の材料は泥と唾液
上空をヒュンヒュン飛んでいるツバメですが、春先は田んぼに降りて泥を咥える姿を目撃できます。
田んぼから泥を拝借して、粘度を高め成形できるように唾液を混ぜます。
人で言うと、左官屋さんだけで半おわん型の家を作るイメージですね。
珍味『燕の巣』
中国の珍味として知られる『燕の巣』には泥は含まれず、ほとんどが唾液腺からの分泌物で作られます。
その巣を作るツバメもアマツバメ科の一部の種で、分類上日本のツバメとは仲間ではありません。
日本のツバメ | スズメ目ツバメ科 |
アマツバメ | アマツバメ目アマツバメ科 |

ツバメって名前に付いてるのにツバメじゃないとか紛らわし過ぎるね

あくまでツバメはツバメ。アマツバメはアマツバメってことなんだけど、
野菜はとりあえずナス科ってあてずっぽうでも当たりそうな程範囲の広いナス科がいる植物屋さんに言われたくない。タバコがナス科って何なの?

ナス科には全てを受け入れる心の広さがあるのさ
おまけ:帰国したら家が更地になっていたツバメ
折角長い渡りを終えて日本に帰ってきたのに「あったはずの巣が無い!」なんてことがたまにあります。
劣化で壊れてしまった。人に壊された(故意に野鳥の巣を撤去することは違法です)などの理由で「今年は補強だけしたらOKだな~」と思っていたら家が更地になっていた時のツバメの絶望たるや。
近所にはツバメに人気なお店が3件並んでおり、内1つ巣があったお店が閉店し改装の為に巣も撤去されてしまいました。
その年の春先、帰ってきたおそらくそこを使おうとしていたツバメが電線から呆然と巣があった場所を眺めていて、次の日にはツバメ同士で取っ組み合いのケンカをしていました。
お隣のお店には中古の巣が2つあるのでそこの取り合いでしょう。
ツバメ的にもやはり新築を建てる労力はなるべく割きたくないようです。
ちゃんと対策すればフン害は防げるので、温かく見守ってあげましょう。
コメント