公園や街路樹、各地に天然記念物に指定された巨木や名木があるほ程
日本人に愛され実は身近にある木として有名なケヤキ。
- 東根の大ケヤキ(山形県)特別天然記念物
- 御岳ノ神代欅(東京都)天然記念物
- 野間の大ケヤキ(大阪府)天然記念物 etc..
落葉樹なので、是非とも落ちた葉っぱに注目してみてください。

こんな二種類の同じ形だけどサイズの違う葉が落ちています。
二種類とも同じ木から生えていたもので、役割が違います。
小さい葉の役割

葉っぱの付け根に丸いものが付いているのが分かるかい?
あれはケヤキの実で、中に種がはいっているんだよ。
枝と葉とセットで落として風と一緒に遠くへ飛ばそう!
という作戦なんだ。

葉っぱで空気抵抗を作るのはイメージできるけど、
そんなに欲張ったら、重くて逆にストンと下に落ちない?

フッ。植物は計算高い生き物なのさ。
この交互にある葉がプロペラになって、回転しながら飛んでいくんだ。
うまくいけば木の高さの3倍くらいは飛ぶよ。
図鑑にはケヤキの樹高20~25mと記載されているのでそれを参考にすると、
60~75mくらい飛ぶということです。
ちなみに60mでトイレットペーパーのシングルの長さです。

いや、もうちょっとピンとくる例えを出してよ。
そうだな…新幹線が1両25mだから3両分かな?
そう考えたら、ケヤキの木自体も新幹線1両分と
同じ高さだね。
大きい葉の役割

そもそもなんで葉っぱの大きさが違うの?
同じでよくない??

大きい葉は、表面積を多くして効率的に光合成をしているんだよ。
来年の芽吹きの為にもなるべく多く栄養を蓄えないとね。
2種類の葉は、役割も芽吹くタイミングも違います。
実付きの小さい葉っぱの方が先に芽吹き、新芽の展開と共に花も咲きます。
そして大きい葉っぱより早く紅葉をし始めて、先に種を飛ばす為、枝ごと落ちます。
大きい葉っぱは実付きより少し後に生え、
実付きが落ちる頃はまだ緑なので頑張って光合成を行います。
なので同じ木なのに部分的に茶色い不思議な木の期間があります。

フレックスタイム制の会社みたい。
でもそれなら、小さい葉っぱも大きくしたら
風に流されやすそうだし、全社員で光合成出来ていいんじゃないの?

プロペラの役割があるからね。
重くなるし、なんでも大きくしたらいいってものじゃないんだよ。
ヘリコプターの羽もそんなに広くないだろう?

確かに。
全てはケヤキ社長の計算通りなのね。
小さい葉→種を遠くへ飛ばす為の飛距離優先タイプ
大きい葉→表面積を多くして光合成特化タイプ
参照
自然散策が楽しくなる! 葉っぱ・花・樹皮で見分ける樹木図鑑
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