ブンブン、ブーン。イカつい羽音をさせながら近づいてくるアブ。
恐怖を感じますよね。
そんなアブにも人を刺さない優しいアブがいるそうです。
ハナアブってアブ?

ハナアブってアブいるんだ。
てっきりあの黒くて怖いやつだけだと思ってた。

ん?ハナアブはアブじゃないぞ?
ハエ目の中のハナアブ科で、よく知ってるアブはハエ目アブ科。
分類も別なのだ。

紛らわしい!?
『アブ』と名前にはついていますが、アブとは分類が異なる違う種類です。
アブと何が違うの?

口に注目してほしいのだ!
ハナアブは名前の通り花の蜜や花粉を食べる虫です。
最大の違いは口だと観察会で教えてもらいました。
アブはいかにも噛むぞ!と言う様な尖った口をしているのに対し、
ハナアブは平たいです。特殊な構造らしく『一般的な蜜を吸う』とはちょっと違い、
スポンジが液体を吸収するイメージに近いそうです。

見た目的にはハチ

『花が好きなアブっぽいハエ』ってことでハナアブなのは分かったけど
正直アブよりハチだよね?

チッチッチ…
ハチとは羽の枚数が違うんだな~
目もハチと比べてかなり大きいのだ。
羽の枚数が、ハチは4枚でハナアブは2枚と違います。
※基本的に虫の羽は4枚ですが、蚊やハエなどはその内の2枚が退化して見かけ上は2枚です。
目もハナアブはハエっぽい大きな目をしています。
※目の集合体ですが、ここでは紛らわしいので省きます。
賢いコスプレイヤー

ハチとも違うことは分かったけど、なんでハチっぽい見た目なの?
ハエの仲間らしくないよ。

これも戦略のうちなのだ!
無害なハナアブが天敵から襲われないように、強いハチに似た格好をしているのだ!

あー、イカツい人の横は通りたくないもんね。
毒キノコや毒ガエルなど、毒を持つ種類はそれを警告するために奇抜な色をしています。
「俺食べたら死んじゃうぜ。手を出すなよ」という戦法です。
それにならって「俺も毒あるぜ!近付いたら危ないぞ!(ホントハナイケド)」
とハナアブも見た目でアピールしている訳です。
かっこいいので紹介しますと、この無害な生物が有害な種に擬態する(見た目を似せる)ことを
ベイツ型擬態といいます。
生物の世界では結構主流な生き残り戦術です。
- ハナアブはハエの仲間
- 血は吸わず、花が好きな平和主義
- ハチとは目と羽の枚数が違う
- ハチに似せることにより身を守る
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