ヒーヨ!ヒーヨ!といつも元気に鳴いているヒヨドリは、かなり食の幅が広い事で有名です。
美味しくない木の実の話をする時はたいてい
「食べるのはヒヨドリくらいだよ」か「ヒヨドリさえも食べない」とまずい基準の指標になります。
「人の物はオレの物。メジロの物もオレの物。」と思ってそうな程食いしん坊で唯我独尊なヒヨドリのメニューをご紹介します。
人間の作る野菜はうまい!
農家さんや家庭菜園をされている方からは害鳥と言われる程、いい具合に育った野菜たちを食べます。
トマトが明日には収穫できるな~と楽しみにしていたのに、次の日なくなっていた場合犯人はだいたいヒヨドリです。
葉物の野菜もついばみ、食べた跡はクチバシの形状にとんがります。芋虫が食べたら丸い跡になるので、食べられた跡を見ると犯人が鳥か虫か特定できます。
夏はセミがうまいぜ!
セミにカマキリと大きな虫からユスリカ(夏の河川敷などを歩いていたら急にぶつかる小虫の群れ)という小さな虫まで目ざとく食べます。
特にセミが狩りやすいのか、木の周りをクルッと飛んでセミが驚いて逃げたところをキャッチするという見事な猟を行います。

チョウの羽にも葉野菜のようにクチバシ型についばまれた跡がある場合があるよ。
『ビークマーク』と呼ばれる、鳥から逃げることのできた勲章なんだ

花の蜜の箸休めは花びら
桜やツバキなど花の蜜も大好物ですが、よく見ているとたまに花びらをちぎり取ってパクっと食べている姿を見かけます。

ドリンクとポテトの様な感覚なのかな。
飲み物を飲んでいたら何かつまみたくなる気持ちはわかる。
そんなヒヨドリですが、植物達にとって蜜をあげる代わりに花粉を運んで受粉を手伝ってくれたり、木の実を食べて種を遠くに運んでくれる大切なパートナなのです。
木の実は好きなものから食べる派
美味しい木の実は他の鳥にも人気なので、ケーキの苺のように最後にとっておくことが出来ません。
小さい木の実の方が食べる鳥の種類数が多くなるので競争相手も多くなります。
独占欲が強いので、わざわざ小鳥たちを蹴散らしてから木の実を食べる暴君ぶりを発揮します。
美味しい木の実がなくなると、他の鳥は食べないそれほど美味しくない木の実も食べ始めます。
アオキという庭木や雑木林にもよく生えている植物の実は、他の木の実が熟す頃はまだ青く、食べつくされる頃に赤くなります。

もう美味しいのなくなったなー。
しょうがない、これでも食べるかぁ。
と、他より美味しくない分同じ時期に熟すと食べて種を運んでもらえない可能性が高いので、時期をずらして食べてもらえる確率を上げているという説があります。
種は消化されないの?
植物も黙って木の実を食べられている訳ではありません。

植物としては種まで消化されると食べられ損になるだろう?
だから少量の毒(下剤)を木の実に含んで、種は無事な状態で便から脱出する作戦さ。

『ヒヨドリの便は下痢便』と言われる所以だね。
植えた記憶もないのにビワが庭に生えたなんて話もあります。
ビワ的には作戦大成功ですね。
このように、ジャイアン的ヒヨドリはスネ夫(植物)に利用されつつお互いWIN WINの関係で成り立っています。
- 野菜、葉っぱ、くだもの、虫、花、花の蜜。とりあえず食べてみるチャレンジャー
- 先客なんて関係ない。全て蹴散らす
- 花の受粉の担い手
- 種運びの担い手
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