花の受粉には、ハチなどの蜜を求める虫が欠かせないのは有名なお話。
ではその虫たちはどうやって花の蜜のありかが分かるのでしょうか?
蜜標とは

『蜜標』と呼ばれる花の模様が、虫に「蜜はここだよ!」と教えてくれるのさ。

蜜を標(しめ)すってそのままだな。
花はまず香りでここにいるよとアピールします。
つられてやってきた虫ですが、蜜がどこにあるのかは分かりません。
花畑なら尚更自分の所に来てくれる率が下がります。
そこで『蜜をお求めの方はこちらへお進みください』という案内看板が必要なわけです。

お店と戦略は一緒
商店街を歩いていると、たい焼きのいい匂いが漂ってきたとしましょう。
口はすっかりたい焼きの気分。匂いをたどってたい焼き屋さんを探します。
しかし多店舗がひしめき合っている商店街は、人込みとたこ焼きやクレープといった他の匂いでごちゃごちゃ。
ようやくたい焼き屋さんの近くにたどり着いたはずなのに、旗も看板も何もない。
もう諦めて多くの人は、隣のたこ焼きを買ってしまうでしょう。ソースの誘惑は全てを塗り替えます。
たい焼き屋さんはというと、実は隠れ家をコンセプトにひっそり2階に店舗を構えていた。としたならば、たどり着ける人は調べて行った人くらいになります。
無名のたい焼き屋さんが隠れ家をコンセプトに集客をしなければ早々に潰れるだけです。
そこで必要なのが案内板。つまり蜜標だったのです。
「たい焼き屋は階段を上がって2階です。」と書かれた案内板とのぼりが蜜標になります。
蜜標とはそう。花の経営戦略なのです。
人には見えない蜜標もある
花の商売相手は虫なので、虫目線で人には見えない蜜標が設定されている場合もあります。
ヒマワリやタンポポは人には黄色一色にしか見えませんが、紫外線を感知できる虫用に
紫外線を吸収する物質を中央に集めて、虫にだけわかる模様なんてものもあります。
見えている虫しか入れない、会員制のバーみたいでオシャレですね。
まとめ
- 蜜標とは、蜜の場所を誘導して教えてくれる模様のこと
- 花は香りと蜜標で虫を集客する
- 蜜標は紫外線を応用している
- 客の手間を極力減らすことが大事
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